もう終わった関係なのだから、前を向いたほうがいい。
別れた相手に戻っても、また同じことを繰り返すだけ。寂しいから思い出を美化しているのではないか。
復縁を考えると、このような言葉が気になることがあります。自分でも「どうして、また同じ人なのだろう」と思うかもしれません。
けれど、別れた相手に戻りたいと思う理由は、未練や寂しさだけではありません。
別れてから初めて気づいたことがある。離れている間に、自分の見方が変わった。二人の気持ちではなく、周囲の事情によって離れることになった。
同じ「もう一度やり直したい」という気持ちでも、その内側にあるものは、人によって違います。
別れてから初めて、見えることがある
関係の中にいるときには、自分の言動が相手にどのような影響を与えているのか、見えなくなることがあります。
自分には自分の言い分があります。相手の反応が理不尽に思えたり、なぜ分かってくれないのかと腹を立てたりすることもあります。
別れを告げられた直後は、なおさらです。
突然関係を切られたように感じ、「なんでそんなこと言われなあかんの」と、相手を責めたくなることもあるでしょう。
私にも、関係を終わらせたいと言われた直後は、相手がなぜそこまで考えているのか、まったく理解できなかった経験があります。
けれど、少し時間を置いてから振り返ると、それまで見えていなかった自分の問題に気づきました。
このまま終わらせたら、きっと後悔する。まず謝りたい。そして、自分では見えていなかったことに気づかせてくれたことへの感謝を伝えたい。
そのうえで、できるなら、もう一度やり直したいと思いました。
もちろん、どんな別れにも一方だけが悪いと言いたいわけではありません。関係によって事情はまったく違いますし、暴力や支配がある場合まで、自分の非を探す必要はありません。
ただ、関係の中にいたときには見えなかったものが、離れたことで初めて見える場合があります。
戻りたいと思うのは、単に以前の安心を取り戻したいからではなく、気づいたことを今度こそ関係の中で生かしたいからかもしれません。
同じ相手に戻ることと、同じ関係に戻ること
別れた相手と復縁するというと、「元の関係へ戻る」ように見えます。
けれど、以前とまったく同じ二人に戻るのであれば、別れにつながった問題も、そのまま残っています。
「今度こそ大切にしてくれるはず」「離れたことで、私の価値が分かったはず」と期待していても、自分たちの関わり方が変わらなければ、関係は以前と同じ方向へ進みやすくなります。
私がもう一度やり直したいと思ったときも、ただ寂しかったからではありませんでした。
自分の至らなさに気づいたのに、何も変えないまま終わらせたくなかったのです。
あまりにも、伸びしろだらけでした。
自分の未熟さを突きつけられて、そこから変われるかもしれないと思った。その機会を、関係ごと失いたくありませんでした。
これは、「反省すれば復縁できる」という話ではありません。
どれだけ謝っても、相手がやり直したいと思うとは限りません。自分に変わりたい気持ちがあっても、相手には関係を終える選択をする権利があります。
それでも、戻りたい理由が「以前の安心を取り戻したい」だけなのか、「関係の作り方を学び直したい」のかでは、復縁後に起きることも変わってきます。
戻る相手は同じでも、同じ関係へ戻る必要はありません。
嫌いになったから、別れるとは限らない
別れは、いつも愛情がなくなった結果とは限りません。
好きな気持ちは残っていても、仕事や家族、住む場所など、二人を取り巻く事情によって、一緒にいることが難しくなる場合があります。
私にも、嫌いになったわけではなく、周囲の事情によって離れることになった経験があります。
その後は距離ができましたが、気持ちまですぐに消えたわけではありませんでした。数年後に思いがけず連絡を取り、何度か会ううちに、再び付き合うようになりました。
別れたという事実だけを見れば、「終わった関係に戻った」ことになります。
けれど、嫌いになって終わった関係と、気持ちを残したまま離れた関係は同じではありません。
二人の関係そのものに問題があったのか。それとも、二人を取り巻く状況によって続けられなくなったのか。
ここを区別せず、別れたという結果だけで「戻っても同じ」と決めることはできません。
ただし、以前は外側の事情が原因だったとしても、今も同じ状況が続いているなら、気持ちだけで乗り越えられるとは限りません。
何が変わり、何が変わっていないのかを見る必要があります。
戻りたいのは、その人なのか、あの頃の自分なのか
一方で、別れた相手を思い出すとき、恋しいのが本当にその人なのかは、見ておきたいところです。
誰かに必要とされていた自分。毎日連絡を取る相手がいた生活。将来を一緒に考えていた頃の安心感。
失ったものが大きいほど、「あの人と戻りたい」という気持ちの中に、あの頃の自分や生活へ戻りたい気持ちが混ざることがあります。
今が寂しいとき、仕事や人間関係がうまくいっていないときには、過去の関係が実際よりも温かく見えることもあります。
楽しかった場面は思い出すのに、なぜ苦しくなったのか、なぜ別れることになったのかは薄れていく。
これは、復縁を望む気持ちが偽物だという意味ではありません。
ただ、「会いたい」「戻りたい」という気持ちだけでは、戻ったあとにどのような関係を築きたいのかまでは分かりません。
その人でなければならない理由は何なのか。
以前の関係で苦しかったことを、今はどのように見ているのか。相手に変わってほしいことだけでなく、自分が変える必要のあることは何なのか。
そこまで考えたとき、初めて「戻りたい」の中身が見えてきます。
復縁の先で、何を作り直すのか
復縁を望んでいるときには、どうすれば相手から連絡が来るか、いつ連絡すればよいか、相手にもまだ気持ちがあるかが気になります。
けれど、復縁できることと、その後に二人が関係を続けられることは別です。
離れていた時間によって、相手の大切さが分かることはあります。一方で、失ったものを取り戻した安心感によって、別れの原因が見えなくなることもあります。
復縁した直後は、お互いに相手を失いたくない気持ちが強く、以前より優しくなれるかもしれません。しかし関係が日常へ戻れば、以前と同じ反応が再び顔を出すこともあります。
だから必要なのは、「二度と別れない」という約束だけではありません。
以前、二人の間で何が起きていたのか。それぞれがどのような反応を繰り返し、何を言えないままにしていたのか。
二人を取り巻く事情が原因だったなら、その事情は今どうなっているのか。関わり方が原因だったなら、今度は何を変えるのか。
相手にだけ変化を求め、自分は以前と同じままでいようとしていないか。反対に、自分だけが我慢すれば続けられる関係を作ろうとしていないか。
二人のどちらか一方だけではなく、相手にも関係を作り直す意思があるのか。
その答えによっては、好きな気持ちが残っていても、戻らない選択をすることがあります。
気持ちがあることと、戻ることは同じではありません。戻らないことも、過去の関係を否定することではありません。
「また同じ相手」を選ぶ前に
別れた相手に戻りたいと思ったとき、自分を責める必要はありません。
ただ、その気持ちを「まだ好きだから」の一言だけで終わらせず、もう少し内側を見てみることはできます。
何を取り戻したくて、その人へ戻りたいのか。
別れてから、自分は何に気づいたのか。
以前の関係に戻りたいのか。それとも、同じ相手と新しい関係を作りたいのか。
別れは、関係が失敗だったという判定ではありません。復縁も、二人が運命の相手だったという証明ではありません。
同じ相手へ戻ることが、同じ失敗の繰り返しになるとは限りません。
けれど、以前の関係で起きたことを見ないまま戻れば、同じ場所へ戻ってしまう可能性はあります。
大切なのは、復縁できるかどうかだけではなく、もう一度向き合うなら、二人で何を作り直すのか。
「また同じ相手」を選ぶことの意味は、その先に築く関係によって変わるのだと思います。
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二度の離婚と復縁を経験した、
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